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研究と報告
二重盲検法によるzopicloneとnitrazepamの不眠症に対する薬効比較
著者: 森温理1 井上令一2 金子嗣郎3 風祭元4 菅野道4 小島卓也5 諏訪克行6 高橋三郎7 鳥居方策8 内藤明彦9 難波益之10 野口拓郎11 長谷川和夫12 村崎光邦13 山口成良14 大熊輝雄15
所属機関: 1東京慈恵会医科大学精神神経科学教室 2順天堂大学医学部精神医学教室 3東京都立松沢病院精神神経科 4帝京大学医学部精神科学教室 5東京医科歯科大学医学部神経精神医学教室 6自治医科大学精神医学教室 7滋賀医科大学精神医学教室 8金沢医科大学神経精神医学教室 9新潟大学医学部精神医学教室 10岐阜大学医学部神経精神医学教室 11埼玉医科大学精神医学教室 12聖マリアンナ医科大学神経精神科学教室 13北里大学医学部精神科学教室 14金沢大学医学部精神神経医学教室 15東北大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.561 - P.572
文献購入ページに移動対象は神経症,うつ病,精神分裂病などで睡眠障害を示す280例で,使用薬剤はzopiclone 10mg錠,nitrazepam 5mgおよび10mg錠の三種類で,使用期間は1週間とした。
最終全般改善度は中等度以上改善がzopiclone 44.0%,nitrazepam 5mg 47.9%,10mg 39.1%で三薬剤間に有意差は認められなかった。概括安全度,有用度についても同様三薬剤間に有意差はみられなかった。
副作用の出現率はそれぞれ25.3%,21.9%,25.0%で差はみられなかったが,zopicloneではにがみが,nitrazepam 10mgでは倦怠感が他群よりやや多くみられた。
睡眠の各parameterに対する効果についても三薬剤間に有意差のみられたものはなかった。
以上からzopiclone 10mgはnitrazepam 5mgないし10mgとほぼ同等の有効性,安全性をもち臨床的に有用な薬物といえる。
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