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文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻6号

1985年06月発行

文献概要

特集 前頭葉の神経心理学

前頭葉障害と強制把握

著者: 小山善子1 倉知正佳1 鈴木重忠2 能登谷晶子2 山口成良1 鳥居方策3

所属機関: 1金沢大学医学部神経精神医学教室 2金沢大学医学部耳鼻咽喉科学教室 3金沢医科大学神経精神医学教室

ページ範囲:P.647 - P.654

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 われわれは病的把握現象を呈する15症例を報告した。強制把握は9例は一側性(右6例,左3例),6例は両側性にいずれも顕著に認めた。把握は本人の意志と関係なく生ずるが2例は若干随意的弛緩が可能であった。探索把握は強制把握ほど著しくなく,4例には認めていない。把握反射は11例に認めた。4例を除き他動的伸展に対して著しい反射性抵抗reflex resistance(Gegenhalten)を認めた。
 随伴神経症状としては9例に同側の片麻痺を認めている。
 神経心理学的所見では7例に失語症を,8例に運動行為の障害(運動失行ないし肢節運動失行,運動無視)がみられた。
 病的把握現象を呈する臨床症状を紹介し,強制把握と失行との関連について若干論述した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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