icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻6号

1985年06月発行

特集 前頭葉の神経心理学

前頭葉内側面と言語

著者: 本村暁1 永江和久2

所属機関: 1九州労災病院神経内科・リハビリテーション診療科 2九州労災病院脳卒中診療科

ページ範囲:P.665 - P.670

文献概要

I.はじめに
 優位半球前頭葉内側面の病巣による失語症の記載は,1880年Magnan14)に湖る。Magnanの症例は61歳の女性で,発語の特徴は脈絡のない単語や音節で,語の復唱は可能,口頭命令による物品のpointingは時々できる,というもので,剖検により左前頭葉の上中前頭回から中心前回を圧排する腫瘍が見出された。失語症の性質について十分議論がなされていないのは時代的背景からうなづけることである。その後Penfieldら16)の刺激実験や,Critchley7)の前大脳動脈閉塞の症候学的検討により,前頭葉内側面ことに補足運動野が言語機能に何らかの役割を果たしていることが明らかにされてきた。
 筆者らは,左前大脳動脈領域脳梗塞の自験2症例に基づいてその言語症候を検討し,前頭葉内側面と言語の問題について考察を加えたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら