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研究と報告
OSA睡眠調査票の開発—睡眠感評定のための統計的尺度構成と標準化
著者: 小栗貢1 白川修一郎2 阿住一雄2
所属機関: 1東邦大学理学部統計学教室 2東京都神経科学総合研究所
ページ範囲:P.791 - P.799
文献購入ページに移動被験者として関東圏の1,407名の学生(18〜22歳)のうち,疾病をもつ者,不規則な生活の者を除いた正常睡眠者634名を統計処理の対象とした。睡眠感を構成する項目群(「睡眠前調査」21項目,「起床時調査」31項目の各反応カテゴリー上にN(0,1)なる確率分布を設定し,各カテゴリーへの反応比率に基づいて,各尺度値に心理的距離としての重みを付与した。次に,各項目の弁別力と内的整合性を保証するための項目分析を経た項目群から,睡眠感に影響を及ぼすと見散される5因子を抽出し,その因子の軸ごとに標準化得点による睡眠感プロフィールを作成した。
解析・検討の結果,本調査票は項目の表現・内容について今後さらに改良していく余地はあるものの,統計的ベースを踏まえた睡眠感尺度として利用できることが示された。
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