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文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻7号

1985年07月発行

文献概要

研究と報告

右側海馬腫瘍により記憶障害を示した1例

著者: 倉元涼子1 宮川太平1

所属機関: 1熊本大学医学部神経精神科

ページ範囲:P.831 - P.834

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 抄録 37歳,男性。てんかんの鈎回発作で始まり,4年後に記銘・記億障害が出現したものである。原因は右側の海馬の腫瘍であった。現在まで一側性の海馬の障害では症状の発現はほとんど認められないとされてきた。しかし,本症例では一側の障害によって記銘・記憶力の障害が発現したことが注目された。このことから,一側の海馬の障害によっても症状が発現するか,あるいは一側優位が存在するのではないかと考えられた。
 ヒトの海馬に原発する腫瘍例は稀であることから本症例は辺縁系における記銘・記憶の機能を考える上で貴重な症例と思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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