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文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻7号

1985年07月発行

文献概要

研究と報告

抗うつ薬amoxapineの投与法別にみた臨床効果と血中濃度—1日1回法と3回法の二重盲検比較

著者: 岸本朗1 国元憲文1 小椋力1 筒井俊夫1 挾間秀文1 釜瀬春隆2

所属機関: 1鳥取大学医学部神経精神医学教室 2島根県立中央病院精神科

ページ範囲:P.835 - P.844

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 抄録 43例のうつ状態の患者にamoxapine(AMX)1日量30mgもしくは75mgを,1日1回投与法と1日3回投与法の2群に無作為に分け,二重盲検法によっ治療効果,副作用を比較した。またAMXとその活性代謝物である8-hydroxyamoxapine(8-OHAMX)の血漿濃度を測定し,それらと治療効果との関係を検討した。両投与群間には背景因子に関して有意差を認めなかった。治療開始後1〜4週の全治療期間を通して,3回投与群における著明改善例の割合は1回投与群におけるそれより高かったが有意差はなかった。しかし患者の自己評価で「大変具合がいい」とするものが3回投与群で有意に多かった(P<0.05),また4日以内に効果発現を認めたものも,3回投与群で有意に多かった(P<0.05)。副作用の比較では,3回投与群に口渇の出現したものが有意に多かった。治療経過中にみられた血漿中AMX+8-OHAMX濃度の最大値が75ng/ml以上のものでは,75ng/ml未満のものに比べて症状残存率の低いものが有意に多かった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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