文献詳細
短報
文献概要
I.はじめに
浦島太郎の童話として一般に知られる浦島伝説は,歴史的・地域的に種々のバリエーションを有し,その研究領域も,国文学,民俗学から心理学・精神医学の分野にまで学際的な拡がりをみせている6)。
筆者は,昭和58年4月より8月まで,沖縄県糸満市内の精神病院に勤務したが,その際,浦島伝説に関連する興味深い症例を経験した。この症例の妄想の成立と変遷を了解するため,浦島伝説の主たる構成要素である他界訪問のモチーフを媒介として検討を加える。
浦島太郎の童話として一般に知られる浦島伝説は,歴史的・地域的に種々のバリエーションを有し,その研究領域も,国文学,民俗学から心理学・精神医学の分野にまで学際的な拡がりをみせている6)。
筆者は,昭和58年4月より8月まで,沖縄県糸満市内の精神病院に勤務したが,その際,浦島伝説に関連する興味深い症例を経験した。この症例の妄想の成立と変遷を了解するため,浦島伝説の主たる構成要素である他界訪問のモチーフを媒介として検討を加える。
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