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研究と報告
赤ん坊のいる母親の入院—“面会接触”の試み
著者: 西田博文1
所属機関: 1倉光病院
ページ範囲:P.907 - P.913
文献購入ページに移動 抄録 産褥性精神障害による入院のさいに必然的に伴う母子分離の問題について,過去関心をもたれることはほとんどなかった。しかし近年,エソロジーの知見などを背景に,母子分離によって生じる母親の側の愛着(アタッチメント)形成障害の重大性が認識されつつある。
そこで筆者は,入院中の母親に対して,面会を中心にできるだけ乳児との接触を奨励し,母子関係の助成という面でよい結果を得ているので,これを“面会接触”と名づけて報告した。このささやかな試みは,精神科治療のひとつの技法というより,より好ましい母子関係へと向けられた,わたくしたちの関心と援助の総体ともいうべきものである。
その他に,母子分離や精神病の母親が幼児に与える影響の問題など,“面会接触”の背景をなす,二,三の問題について検討した。さらに近年欧米で試みられるようになった“子連れ入院(conjoint hospitalisation)”を,文献の上で概観した。
そこで筆者は,入院中の母親に対して,面会を中心にできるだけ乳児との接触を奨励し,母子関係の助成という面でよい結果を得ているので,これを“面会接触”と名づけて報告した。このささやかな試みは,精神科治療のひとつの技法というより,より好ましい母子関係へと向けられた,わたくしたちの関心と援助の総体ともいうべきものである。
その他に,母子分離や精神病の母親が幼児に与える影響の問題など,“面会接触”の背景をなす,二,三の問題について検討した。さらに近年欧米で試みられるようになった“子連れ入院(conjoint hospitalisation)”を,文献の上で概観した。
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