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文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻8号

1985年08月発行

文献概要

研究と報告

分裂病様状態を呈した欠神発作の1例

著者: 宮内利郎1 川又潤一郎1 大野史郎1 藤田春洋1 喜多村雄至1 松石竹志1 横井晋1

所属機関: 1横浜市立大学精神医学教室

ページ範囲:P.915 - P.922

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 抄録 てんかん患者が呈する分裂病様状態については,従来数多くの報告をみるが,側頭葉てんかんとの関連で論じられていることが多く,欠神発作では,分裂病様状態が長期間続いたという詳細な報告はない。著者らは,外来通院中のてんかん患者479例のうち16例(3.3%)に意識清明な分裂病様状態をみているが,純粋欠神発作は3例にすぎない。ここでは,このうちの比較的長期に経過観察した1例を症例呈示し考察した。
 1)症例は,7歳時発症の欠神発作で,19歳より意識状態に障害のない幻覚・妄想状態が出現。慢性に移行し人格的な崩れがみられる。
 2)本例の臨床経過を詳細に報告すると共にてんかん精神病の病因をParnasの説から考察した。
 3)欠神発作に関して,皮質起源性を主張する報告もみるが,本例は中心脳起源である可能性をポジトロンCTから示した。
 4)本例の治療経過中にみられた小型発作・脳波上の変化につき,薬剤との関連を考察した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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