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文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻8号

1985年08月発行

文献概要

研究と報告

表面筋電図による口部遅発性ジスキネジアの類型化の試み(第2報)—髄液中HVA,5HIAA濃度について

著者: 松永哲夫1 大山繁1 三笘宏1 藤本佳澄1 石津棟暎2 横田伸治3

所属機関: 1熊本大学医学部神経精神科学教室 2熊本大学医学部小児科学教室 3向陽台病院

ページ範囲:P.927 - P.932

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 抄録 口部遅発性ジスキネジア(OD)における脳内monoamine代謝の異常の有無を検討する目的で,ODが認められた慢性分裂病患者13例(男3例,女10例,年齢34〜70歳,平均51.9±12.0歳)の髄液中homovanillic acid(HVA),5-hydroxyindolaceticacid(5HIAA)濃度を測定した。OD群の髄液中HVA,5HIAA濃度は,年齢と抗精神病薬量(chlorpromazine換算量)を合致させた対照群と比較した結果,ともに差は認められなかった。
 つぎに表面筋電図でI型(持続性放電)を示した群(N=7)とII型(律動性放電)を示した群(N=6)の2群に分けて比較した結果I型群のHVA濃度はII型群と比べて有意に低かった。しかし同時に,I型群では年齢が有意に高く,抗精神病薬量は有意ではないが少なかった。両群間のHVA濃度の差は,筋電図の型との直接的な関連性よりも,筋電図の型に基づく2つの類型に従属する要因(年齢,抗精神病薬量)の影響によるものと推測した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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