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文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻8号

1985年08月発行

文献概要

研究と報告

分裂病の外来治療におけるデポ(持効性抗精神病薬)の効果

著者: 功刀弘1 井出さき子1 小泉隆徳1 小尾契子1 藤井康男1 高瀬守一朗1 松田源一1 遠藤淳1 佐々木重雄1

所属機関: 1山梨県立北病院

ページ範囲:P.933 - P.941

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 抄録 本院で1983年内に外来で治療を受けた分裂病患者の総数は908名(1年間入院していた157名を除く)であった。同年末の外来例の社会生活レベルは自立274名,援助による自立は360名,家庭内保護173名,入院となっている者54名,不明41名,死亡3名であった。外来例の約半数はある時期に社会生活の維持のため外来でデポ剤(持効性抗精神病薬)を用いてきたが,同年内に限ってみると183名にデポ剤が用いられた。この内継続使用した122名中117名に効果があり,随時使用した60名中45名に有効であった。
 デポ剤は再発や再入院しやすい患者に対して服薬の自覚をつけ,病状の自己管理を助け,治療者や家族の援助の効果を高めてきたことが本院の外来実績から明らかとなった。また,不十分な用いかたを改めること,様々な副作用の頻度とその対策についての経験も報告した。分裂病の再発防止に本邦においても各種のデポ剤の導入の必要性を強調した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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