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文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻9号

1985年09月発行

文献概要

研究と報告

前思春期発症の非定型精神病の3症例について

著者: 森信繁1 生地新1 森岡由起子1 十束支朗1 根岸敬矩2

所属機関: 1山形大学医学部精神医学教室 2埼玉県立小児医療センター

ページ範囲:P.1013 - P.1020

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 抄録 前思春期発症の非定型精神病3例を2〜6年間治療する機会を得た。症例1は12歳時発症し,排卵性月経に伴い精神運動興奮と昏迷を繰り返していたが,norgestrel 1錠/日(月経第5日目より5日間),乾燥甲状腺末90mg/日の投与にて寛解した。この症例では寛解期においてもAndrogen Index<1.0,dexamethasone抑制試験陽性などの異常を呈し,視床下部一下垂体系の機能不全が認められた。症例2は12歳時発症。無排卵性月経を伴い頻回に昏迷状態を繰り返していたが,clomiphene 50mg/日(月経第5日目より5日間),Iutedion(月経第14日目より7日間)投与されて寛解した。症例3は,11歳時発症。頻回に昏迷状態を繰り返していたが,sulpiride Iithium投与にて寛解した。また,症例1のように頻回の再発を繰り返すことは,本疾患の予後という面からみて,自発性の低下や判断力の低下というような,軽度の欠損状態を生み出す危険性があるように思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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