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研究と報告
ナルコレプシーのミアンセリンによる治療と神経内分泌学的検討—脳内モノアミン系との関連について
著者: 市川淳二1
所属機関: 1北海道大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.1029 - P.1035
文献購入ページに移動 抄録 ナルコレプシーの治療に四環系抗うつ薬ミアンセリンを試用し,その臨床効果からナルコレプシーの発症機序について脳内モノアミン系との関連を検討した。また併せて視床下部下垂体系の神経内分泌学的検討を行った。ミアンセリンの投与によって入眠時幻覚,睡眠麻痺,睡眠発作は消失したが,情動脱力発作は不変で,ムスカリン性抗コリン剤の追加によって初めて消失した。従って情動脱力発作に関しては,特にムスカリン性Ach作動性機構との関連が推定された。また一般にイミプラミンよりミアンセリンがいっそう有効であったことから,シナプス前α2レセプターを介するNA作働性機構の抑制がナルコレプシーの症状形成に関与している可能性が示唆された。また各負荷に対する成長ホルモンの反応の異常が治療に伴って軽快したことから,視床下部におけるモノアミン系の機能的変調が推測された。
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