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文献詳細

雑誌文献

精神医学27巻9号

1985年09月発行

研究と報告

うつ病患者における低用量(0.5mg)dexamethasone抑制試験—診断的有用性,症状および経過との関連,および検査方法の検討

著者: 松永秀典1 更井正和2 谷口典男1 籠本孝雄1 亀田英明1 宮崎浄2

所属機関: 1大阪府立病院精神神経科 2大阪逓信病院精神科

ページ範囲:P.1043 - P.1053

文献概要

 抄録 Carrollらによって提唱された,うつ病におけるdcxamcthasone抑制試験(DST)は,最近多くの追試,検討がなされつつあるが,それらのほとんどはdcxamethasone 1mgを投与するものであり,血清cortisol濃度の測定時刻は,翌日午後4時,および午後11時とするものが多い。今回,我々は,dexamethasone 0.5mgを前夜に投与し,翌日午前8時(外来患者では午前9時),および午後1時に血清cortisol濃度を測定するという方法を用いて,抑うつを呈する患者を中心に55症例に対してDSTを施行し得た。結果は,大うつ病エピソード26例中19例でDST陽性となり,その診断感度は73.1%で,1mg投与法による従来の成績と比べて良好な値を得た。大うつ病エピソード以外では30例中7例でDST陽性となったが,偽陽性の疾患,およびその頻度は,1mg投与法の場合とほぼ一致するものであった。また,DST陽性となった大うつ病エピソード13例に対して,その経過中にDSTの再検を行い病嫁の改善に一致して11例でDSTの陰性化を認めた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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