icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻1号

1986年01月発行

文献概要

研究と報告

精神分裂病患者の退院(第3報)—患者と家族の退院に対する認識の比較

著者: 原田俊樹1 佐藤光源1 堀井茂男1 三村興二2 長尾卓夫2 田中和芳3 平田潤一郎3

所属機関: 1岡山大学医学部神経精神医学教室 2高岡病院 3積善病院

ページ範囲:P.21 - P.27

文献購入ページに移動
 抄録 姫路及び津山の精神科単科病院の慢性精神分裂病患者で1年以上の入院期間の患者及びその家族を対象に退院に関するアンケート調査を行ない,患者と家族の退院に対する認識の相違について分析した。その結果,1)医師が退院可と判断している患者ほど退院可と自己判断している率が高かった。2)家族の患者受け入れ状況は医師判断,患者判断いずれとも明らかな関連はなかった。3)入院時の問題点の選択,退院時に家族が危惧することの選択については,家族の選択数に比べて患者の選択数は著しく少なかったが,選択項目については一致する傾向がみられた。4)患者のもつ諸因子が医師判断,患者判断,家族の受け入れ状況に与える影響をみると,家族の受け入れ状況が最も種々の因子に影響をうけやすかった。これらの結果から家族療法の必要性とその意義について若干の考察を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?