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研究と報告
精神分裂病者の疾病に対する忌避感情の心理的尺度化—病識の指標としての可能性
著者: 津田彰1 西川正2 古賀五之2 内田又功2 遠藤進2 帆秋善生3
所属機関: 1久留米大学医学部薬理学教室 2医療法人清和会西川病院 3久留米大学医学部精神神経科学教室
ページ範囲:P.35 - P.39
文献概要
疾病に対して抱く忌避感情を定量的に表した時,入院分裂病者,とりわけ病識なし分裂病者が示す忌避感情の心理的尺度値は健常者やアルコール症者と比べて有意に低く,疾病を忌避する順位もまた異なっていた。外来寛解分裂病者の忌避尺度値は入院分裂病者と健常者との中間であった。分裂病者が評価する自己の疾病,すなわち"精神病"に対する忌避感情の心理的尺度値が回復段階の違いによって段階的に異なったことから,本法が精神分裂病者の病識の1側面を測定するために応用できるかもしれない。
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