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文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻1号

1986年01月発行

文献概要

研究と報告

重度精神遅滞児の状態像—類型化の試み

著者: 弟子丸元紀1 室伏君士2 小笠原嘉祐2

所属機関: 1熊本大学医学部神経精神医学教室 2国立療養所菊池病院

ページ範囲:P.55 - P.64

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 抄録 重度精神遅滞児の状態像は,傷害の侵襲時点,傷害部位,および侵され方(局所性,び漫性),傷害の質(器質的,機能的)により異なる。またそれに反応性のものが加わり,複雑な臨床像を示す。各児童の状態像を中心にCT・脳波所見を参考にして7類型に分類した。重度の精神遅滞に加え,以下のような行動障害を示している。1)不全対麻痺型は主に前頭葉髄質・皮質傷害で,運動調節障害と意図的行動化の障害。2)部分・半身麻痺型は葉性・半球性傷害で,情動面・欲動面の抑制障害。3)錐体外路障害型はアテトーゼを伴い,言語・行動面の表現困難,情動面・欲動面の意識的調整障害。4)単純型は全体的な精神発達遅滞児。5)抑制型は主に前頭葉穹隆部傷害,寡動・孤立・常同行為,欲動面・意欲面が抑制されている。6)興奮型は時に自生的に精神運動性興奮を示し,情動面・欲動面の調節障害。7)自閉型は重度の精神遅滞を合併する自閉症児である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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