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研究と報告
一精神薄弱施設における染色体異常の検索
著者: 数川悟1 遠藤正臣1 堀有行1 藤井勉1 稲生暁春2 渋谷知一3
所属機関: 1富山医科薬科大学医学部神経精神医学教室 2厚生連滑川病院神経科精神科 3セーナー苑
ページ範囲:P.65 - P.71
文献購入ページに移動染色体異常は21trisomyが22名(5.7%)で,その他の常染色体異常は46,XY,del(8)(q11. 2q 13)が1名,46,XY,4q+が2名,46,XY,-13,+t(9p 13q)が1名と46,XX,t(2;15)(q23;q26)が1名であった。性染色体異常はなかった。染色体異常全体の頻度は6.9%で,文献上の調査報告との比較検討を行なった。臨床診断がDown症候群であった25名中3名は正常核型を示した。この3名につき検討を加え,染色体検査の重要性,臨床徴候把握上の問題点にふれた。また精神遅滞患者集団の調査では,背景にある社会,福祉,医療状況などを考慮する必要のあること,十分な観察や検査が精神遅滞の医療や処遇の上で重要であることを述べた。
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