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文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻1号

1986年01月発行

文献概要

研究と報告

一卵性双生児分裂病一致例の2症例—その遺伝と環境

著者: 植木啓文1 高井昭裕1 曾根啓一1 長瀬志津子2

所属機関: 1岐阜大学医学部神経精神医学教室 2慈恵中央病院

ページ範囲:P.73 - P.80

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 抄録 二組の一卵性双生児分裂病一致例について病前性格,発病状況と年齢,家庭環境,症状と経過および病型を分析検討した。その内の一組では両者とも自閉的傾向の強い病前性格を有していたこと,発病が早期であること,家庭内に彼らを支える余裕がなかったことなどの諸要因(分裂病促進的ないし治療干渉的要因)により,経過も同じBleuler1)のII-5型を示していた。他の一組では,一方より消極的性格で,しかも家庭環境が悪くBleulerのII-5型の経過をとっているのに対し,その対隅者はより積極的で,さらに受容的,支持的家庭の中でBleuleri1)のII-7型の経過をとっていた。つまり,発病には遺伝負因が大きく関与するようであるが,その後の経過の良し悪しは,病前性格および家庭環境の相違に因ることが,双生児法を使って示された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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