icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻1号

1986年01月発行

短報

妊娠中の分裂病者への向精神薬使用について

著者: 須賀良一1 三浦まゆみ1 八幡剛喜1 鈴木孝明2 湯沢秀夫2

所属機関: 1新潟大学医学部精神科 2新潟大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.101 - P.103

文献概要

I.はじめに
 近年の向精神薬の使用は分裂病の軽症化をもたらし,女性患者の結婚・妊娠・出産の機会を増加させたように思われる。しかし,女性分裂病者の妊娠・出産に際しては,分裂病の遺伝,妊娠・出産が分裂病に与える影響,向精神薬が胎児に与える影響などに関するいくつかの問題点があり,分裂病者の妊娠に直面した医師はその対応に苦慮することが多いものと推測される。医師の対応の中で最も問題となるのは,現在使用している向精神薬をどうするかという点と思われる。一般的には妊娠中は向精神薬を使用しない方が良いという程度の認識しかなく,妊娠中の投薬の是非についてはあまり考察されていない。そこで新潟大学精神科で治療中に妊娠し,新大産科で出産した5例を経験したので,これらの症例を足がかりとして妊娠中の分裂病者への向精神薬使用の問題を考察してみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら