文献詳細
研究と報告
DSM-Ⅲ多軸評定の有用性—その1.心理的社会的ストレスの強さの評定と主診断との関係
著者: 安屋敷和秀1 高橋三郎1 高橋清久1 花田耕一1 中村道彦1
所属機関: 1滋賀医科大学精神医学講座
ページ範囲:P.1103 - P.1109
文献概要
(1)精神分裂性障害ではストレスなしと評定されるものが多く(64%),大うつ病は中等度以上のストレス(コード4以上)の後に発症するものが多く(63%),双極性感情障害は,ストレスなしと中等度以上のストレスの後に発症するものとが50%ずつで,神経症圏では,軽いストレス(コード2,3)の後に発症する傾向にあった。
(2)精神分裂性障害の下位分類(病型分類)内では著明な差異がなかった。
(3)大うつ病の病型分類では単一エピソードよりも反復性でストレスなしのものが多かった。しかし,ストレスの強さは精神症状の重症度に影響を及ぼさなかった。
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