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文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻10号

1986年10月発行

研究と報告

DSM-Ⅲ多軸評定の有用性—その1.心理的社会的ストレスの強さの評定と主診断との関係

著者: 安屋敷和秀1 高橋三郎1 高橋清久1 花田耕一1 中村道彦1

所属機関: 1滋賀医科大学精神医学講座

ページ範囲:P.1103 - P.1109

文献概要

 抄録 入院例313名中,主診断がDSM-Ⅲ診断の,いわゆる機能性精神病患者229名につき,第4軸の頻度分布の第1軸診断別特徴を調べた。
 (1)精神分裂性障害ではストレスなしと評定されるものが多く(64%),大うつ病は中等度以上のストレス(コード4以上)の後に発症するものが多く(63%),双極性感情障害は,ストレスなしと中等度以上のストレスの後に発症するものとが50%ずつで,神経症圏では,軽いストレス(コード2,3)の後に発症する傾向にあった。
 (2)精神分裂性障害の下位分類(病型分類)内では著明な差異がなかった。
 (3)大うつ病の病型分類では単一エピソードよりも反復性でストレスなしのものが多かった。しかし,ストレスの強さは精神症状の重症度に影響を及ぼさなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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