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文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻10号

1986年10月発行

研究と報告

純粋失読でみられた味覚および嗅覚錯誤症について

著者: 伊藤陽1 佐藤新1 種市愈1 中村協子1 内藤明彦1 山岸益男2

所属機関: 1新潟大学医学部精神医学教室 2新潟大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.1133 - P.1140

文献概要

 抄録 症例は56歳の男性で,頭部CT検査にて優位半球後頭葉に脳梗塞と思われる低吸収域が認められた。本例では純粋失読のほかに写字障害,漢字の想起困難,色彩失認,地誌的概念の障害,右半側空間の無視,右同名四半盲,保続などが認められたが,更に特異な味覚錯誤症と嗅覚錯誤症がみられた。近年,純粋失読はdisconnexion theoryによって説明されることが多いが,失認の立場で本例の失読,色彩失認,味覚および嗅覚錯誤症を眺めると微細な範疇化の障害として統合的に理解出来るように思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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