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文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻10号

1986年10月発行

研究と報告

双生児法による熱性けいれんの研究

著者: 坪井孝1

所属機関: 1東京都神経科学総合研究所社会医学研究部遺伝学研究室

ページ範囲:P.1141 - P.1147

文献概要

 抄録 熱性けいれん(FC)罹病の双生児32組について分析を行った。1)卵性別,組別(pairwise)のFC一致率は1卵性双生児(MZ)56%(10/18),2卵性双生児(DZ)14%(2/14)(P<0.05)であった。2)性別ではMZ男73%o(8/11)〉女29%(2/7),3)発端者別(probandwise)ではMZ 71%(20/28)>DZ 25%(4/16)(p<0.01)であった。4)一般集団3歳児における双生児96組(同性男41,同性女34,異性21)中のFCの頻度は男11%(11/103),女10%(9/89)で,単生児における発生率(男87.9%,女7.5%)とほぼ一致した。5)組別の脳波診断一致率はMZ 100%(18/18),DZ 40%(4/10)(p<0.001)であった。6)FC双生児の組内の臨床症状類似率は同胞例よりも高く,反復回数を除く10項目についてプラスで有意の相関が見出された。とくに外的環境要因,熱発の程度,脳波背景活動異常および発作性異常の4項目は相関係数が+1に近く,遺伝的関与の大きさが示唆された。7)MZ不一致8組で不一致に相当する環境要因は見つからなかった。一致のDZ 2組では,個々の徴候には著しい非類似が見出された。8)1親等近親者に高いFC罹病率が見出された(両親18%,同胞46%)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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