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文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻10号

1986年10月発行

文献概要

研究と報告

精神症状を呈したクローン病の3例

著者: 玉置暢子1 渡辺洋一郎1 渡辺昌祐1 横山茂生2 橋口朱美3

所属機関: 1川崎医科大学精神科 2川崎医科大学付属川崎病院精神科 3向陽病院

ページ範囲:P.1155 - P.1162

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 抄録 精神症状を呈し,精神医学的治療を必要としたクローン病の3例について報告した。症例1:精神症状が先行,当院内科入院後クローン病と診断され,第3回目入院時には躁状態,幻覚妄想状態,意識障害を呈し死亡した。症例2:初診時,不登校,反抗,攻撃性を示し,思春期適応障害と診断されたが,その後,クローン病と診断,ステロイド等で身体症状が改善し精神症状も病前レベルとなった。症例3:クローン病と診断後,経過中に幻覚妄想状態を呈したが,haloperidolにて改善した。症例1と2は一過性器質精神病,症例3は急性妄想状態と診断した。また,クローン病には心身医学的発生機序を持つ面と症状精神病を出現するという二面性があることについて考察し,身体的治療同様,心理的サボートの必要性について述べた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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