文献詳細
研究と報告
精神障害の頻度と生まれ月—滋賀県患者人口による分析
著者: 高橋三郎1 金井秀子2 三浦悌二3 野中浩一3
所属機関: 1滋賀医科大学精神医学 2京都教育大学 3帝京大学医学部衛生学
ページ範囲:P.1163 - P.1172
文献概要
精神分裂病では冬生まれが,大うつ病単一エピソード,大うつ病反復性では夏生まれが多いが,いずれも有意の差はない。双極性障害では1〜3月生まれが多く,神経症群,適応障害,心身症では夏・秋生まれが多く,有意の差を認める。戦前生まれより戦後生まれに頻度のピークが早くなる傾向が,大多数の疾患群で認められた。精神障害の頻度の生まれ月による偏りは,何か周産期に関係した生物学的要因が存在することを示唆している。この他,この問題に関する多数の報告を検討し,提示されている仮説について総説した。
掲載誌情報