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短報
バルプロ酸単剤服用中のてんかん患者の短期記憶機能について—Sternbergの課題を用いて
著者: 中込和幸1 永久保昇治1 福田正人1 斎藤治1 亀山知道1 平松謙一1 安西信雄1 丹羽真一1 伊藤憲治2
所属機関: 1東京大学医学部精神医学教室 2東京大学医学部音声言語医学研究施設
ページ範囲:P.1173 - P.1175
文献購入ページに移動各種抗てんかん薬が記憶機能に及ぼす影響については多くの報告がある。概括するとphenobarbital,phcnytoinにおいては,記憶機能障害が認められ,carbamazepinc(CBZ),sodium valproate(VPA)においては認められないとする報告が多い1,4,6,8)。むしろCBZ,VPAについては,てんかん患者において注意機能或いは学校での成績などに改善を認めたとする報告もある2,5)。
Macleodら3)はphenobarbital(PB)が短期記憶機能に及ぼす影響をSternbergの課題(1966)7)を用いて調べ,PBはてんかん患者の短期記億における比較照合過程を用量依存的に障害し短期記憶検索速度を遅延すると報告した(図1:図中のてんかん群はweek 1では8〜15,week 2では20〜32μg/mlのPBを服用)。
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