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短報
家族性TBG欠損症を伴った単極性うつ病の1例
著者: 竹内一夫1 高橋滋1 野本文幸1
所属機関: 1群馬大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.1181 - P.1183
文献購入ページに移動うつ病患者における甲状腺機能障害については近年多くの報告がなされている。またうつ状態に甲状腺ホルモン剤の治療が試みられている。
今回われわれは,血中トリヨード・チロニン(T3),血中チロキシン(T4)の低下を認め,甲状腺機能低下症が疑われたが,精査の結果家族性チロキシン結合グロブリン(TBG)欠損症と診断されたうつ病の症例を経験した。TBG欠損症の患者では,T3およびT4の低下をみるが,遊離トリヨード・チロニン(FT3),遊離チロキシン(FT4)および甲状腺刺激ホルモン(TSH)の値は正常で,甲状腺ホルモン剤の治療は必要ないといわれる。
うつ病患者に血中甲状腺ホルモンの低下を認める時,TBG欠損症を念頭において治療すべきであると考え報告する。
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