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文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻11号

1986年11月発行

文献概要

研究と報告

精神分裂病の陰性症状と社会適応経過

著者: 染矢俊幸12 安西信雄1 池淵恵美1 小沢道雄1 原田誠一1 上田哲1 金生由紀子1 中込和幸1 岩波明1 熊谷直樹1 宮内勝1

所属機関: 1東京大学医学部精神医学教室 2現所属,滋賀医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.1229 - P.1236

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 抄録 東大病院精神神経科デイホスピタル(DH)を終了した41名の精神分裂病患者を対象に,陰性症状を中心とする臨床症状の変化,およびそれらと社会適応経過との関連を検討した。陽性症状・陰性症状の評価は,DH開始時,DH終了時およびDH終了後5年目の3時点について,陰性症状評価尺度(SANS),症状群チェックリスト(SCL)を用いて行った。社会適応経過の評価は,DH終了後5年までについて就労期間率,入院期間率,再発の3項目を用いて行った。
 その結果,陰性症状は,集団療法を中心とするDHでの治療により改善し,その効果はDH終了後5年間持続することが示された。またDH終了時の症状と社会適応経過との関連では,SANSの情動の平板化・情動純麻,意欲・発動性欠如,SCLの中核症状群,残余の症状群,幻聴,関係妄想が認められたものほど,経過が不良であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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