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文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻11号

1986年11月発行

脳の働きと心―大脳の機能をめぐって

脳の働きと電位変化

著者: 山本卓二1

所属機関: 1東京都精神医学総合研究所精神生理研究室

ページ範囲:P.1293 - P.1300

文献概要

I.はじめに
 ニューロンの興奮に電気が関与することが想定されるようになったのは18世紀の後半であったが,それが確認されたのは19世紀の前半のことであった。そして,脳の活動に伴う電気的変化が初めて報告されたのは1875年で,Caton. R2)はその報告の中で,"今まで実験した全べての動物の脳で電流計は電流の存在を示した;そして陰性波の出現は限局した機能と関連した;灰白質のどの部位でも機能的に活動しているとき,その電流は陰性変動を表す"と簡潔な記載をしている。
 ヒト脳の活動に伴う電気現象は1929年,Berger, H. H. 1)によって初めて報告されたことは周知の如くである。彼は精神活動に対応する生理学的指標を求めて長い間模索した後,頭皮上から脳の自発性電位,即ち,現在一般的に"脳波"と呼ばれているものを記録することに成功し,脳波が精神的緊張や精神作業によって影響を受けたり,バルビツール麻酔によっても変化することなどを報告した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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