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文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻11号

1986年11月発行

文献概要

脳の働きと心―大脳の機能をめぐって

神経心理学の進歩と画像診断

著者: 岸本英爾1

所属機関: 1横浜市立大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.1301 - P.1309

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I.はじめに
 神経心理学の最近の進歩には目覚ましいものがある。その研究については日本では本特集の執筆者でもある大橋,山鳥らをはじめ多くの研究者がおられるし,外国でもLuria,Geschwind,Poeckらをはじめ多くの研究者がその進歩のために力を尽した。その成果は単に神経学,神経内科学の進歩に止まらず精神医学の発展にも大きく貢献しつつある。
 現代の画像診断は1895年12月22日,Rontgen自身による手のX線撮影によって始まったと考えられるが,その後X線による画像診断は大きな発展をみせ,最近ではその進歩はX線CTやMRI(NMR),echo等に引継がれている。その内でも今世紀初頭より半ばにかけたX線診断学の進歩の果たした役割は特筆すべきもので,臨床医学と治療学の飛躍的進歩をもたらしたことは記憶に新しい。それにより幾多の人命が救われ,又治療不能とされた疾病の原因解明に威力を発揮し,それは現代医学の発展に寄与した。この例にもみられるように画像診断の医学の進歩に果たす役割は大きい。
 近年X線CTによる画像診断が進み,脳障害部位と患者が示す神経心理学的な症状との関連の研究の発展がみられる。以下脳X線CTによる神経心理学の進歩の一部を示し,更に最近その発展が注目されているポジトロンCTの成績を示しながら筆者の責任を果たしたいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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