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精神分裂病における精神病症状消退後の虚脱状態(第1報)—精神分裂病の入院治療過程から
著者: 三野善央1 牛島定信2 門田一法2 野中幸保2 原田元基2
所属機関: 1高知医科大学公衆衛生学教室 2福岡大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.1349 - P.1359
文献購入ページに移動虚脱状態が出現していた38名について検討すると,虚脱状態持続期間は,治療開始後の急性症状持続期間と有意な強い正の相関を示した。また急性期平均抗精神病薬投与量と有意な弱い正の相関,発症年齢と有意な弱い負の相関を示した。
これらのことより急性精神病症状消退後の虚脱状態を精神病状態による自我の疲弊として考察した。また,この虚脱状態と欠陥状態の関係,虚脱状態の抑うつ的側面について述べ,それを自我境界の一定の修復後の未だ脆弱な状態として論じた。
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