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文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻12号

1986年12月発行

文献概要

研究と報告

精神分裂病における精神病症状消退後の虚脱状態(第1報)—精神分裂病の入院治療過程から

著者: 三野善央1 牛島定信2 門田一法2 野中幸保2 原田元基2

所属機関: 1高知医科大学公衆衛生学教室 2福岡大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.1349 - P.1359

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 抄録 精神分裂病者46名を対象に,入院治療過程の中での急性精神病症状消退後の虚脱状態について調査した。虚脱状態は82.3%(38名)に出現し,緊張型は他型に比較して短期間で立ち直っていた。
 虚脱状態が出現していた38名について検討すると,虚脱状態持続期間は,治療開始後の急性症状持続期間と有意な強い正の相関を示した。また急性期平均抗精神病薬投与量と有意な弱い正の相関,発症年齢と有意な弱い負の相関を示した。
 これらのことより急性精神病症状消退後の虚脱状態を精神病状態による自我の疲弊として考察した。また,この虚脱状態と欠陥状態の関係,虚脱状態の抑うつ的側面について述べ,それを自我境界の一定の修復後の未だ脆弱な状態として論じた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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