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文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻12号

1986年12月発行

文献概要

研究と報告

進行性痴呆を呈したSheehan症候群の1剖検例

著者: 古郷博1 三山吉夫1 藤元昭一2 住吉昭信2

所属機関: 1宮崎医科大学精神医学教室 2宮崎医科大学第1病理学教室

ページ範囲:P.1361 - P.1367

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 抄録 61歳の女性の不全型Sheehan症候群で,45歳時より多彩な精神—神経症状を呈し頻回に精神病院への入退院を繰り返した。その過程で非可逆性,進行性の知的精神機能の低下,人格低下等の痴呆症状が出現し,末期には約3週間の昏睡状態が続き死亡した。病理所見では,下垂体前葉,甲状腺,副腎皮質,大脳の萎縮が主病変であった。痴呆へ進展した要因としては,下垂体前葉の機能不全が副腎皮質,甲状腺などの標的臓器の機能を進行性に退縮させ,内分泌,代謝的不均衡を生じ,中枢神経系に影響を及ぼしたものと推論した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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