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特集 現代の子供—心身の発達とその病理—東京都精神医学総合研究所 第13回シンボジウムから
幼少期の情緒・行動的問題の長期追跡研究—乳幼児期と思春期のつながり
著者: 川井尚1
所属機関: 1東京都精神医学総合研究所
ページ範囲:P.143 - P.154
文献購入ページに移動I.序
幼少期に諸々の精神的問題をあらわした子どもが,その後どのような経過を辿り,思春期を迎え,現在どのような状態であるのかを,当時の臨床活動との関わりの中で明らかにすることは,臨床上意義あることと考える。なぜならば幼少期発達心理臨床1,2)のもつ役割とは,早期の臨床活動によって,そののち順調な発達を辿りうるよう援助することにあり,その臨床効果を問うことであるからである。そして,その中で経過のよいものや,さらに注意を要するものとがあれば,事例研究を行なうことによって,臨床法そのものの検討をはじめ,発達的な観点から,なぜそうであるのか,それに関する諸要因を明らかにする道が開かれ,今後の臨床活動に寄与しうると考えられるからである。
そこで,筆者がかつて担当した事例について追跡研究を行ない,これらの諸点についてある程度の知見を得たのでここに報告する。
幼少期に諸々の精神的問題をあらわした子どもが,その後どのような経過を辿り,思春期を迎え,現在どのような状態であるのかを,当時の臨床活動との関わりの中で明らかにすることは,臨床上意義あることと考える。なぜならば幼少期発達心理臨床1,2)のもつ役割とは,早期の臨床活動によって,そののち順調な発達を辿りうるよう援助することにあり,その臨床効果を問うことであるからである。そして,その中で経過のよいものや,さらに注意を要するものとがあれば,事例研究を行なうことによって,臨床法そのものの検討をはじめ,発達的な観点から,なぜそうであるのか,それに関する諸要因を明らかにする道が開かれ,今後の臨床活動に寄与しうると考えられるからである。
そこで,筆者がかつて担当した事例について追跡研究を行ない,これらの諸点についてある程度の知見を得たのでここに報告する。
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