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研究と報告
うつ病の長期予後
著者: 横井晋1
所属機関: 1横浜市立大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.185 - P.193
文献購入ページに移動 抄録 調査1,うつ病の診断で入院した患者の約5年後の予後調査を行った。その30名中,寛解は8名,軽度の症状を残す人11名(うち9名は通院中),症状の持続,軽快後再び悪化した人11名であった。30名中16名が2回以上の入退院を繰り返している。
調査2,外来通院10年以上を続けているうつ病,うつ状態の27名について調査した。患者は症状が安定するまでに平均6.5年(1〜15年)を要し,その後は約2/3の人が月に1〜2回外来通院し,少量の抗うつ剤,安定剤,眠剤等の投与を受けている。残遺症状は13名に見られ,それは心気症状,不眠等が主であった。
諸外国の文献における神経症性うつ病には内因性,心因性,性格的等のものが含まれ,必ずしも均一でない。しかし5〜7年の予後でみると概略20%が寛解,40〜60%が再発を繰り返しながら残遺症状をもち,20〜40%が現在も重い症状を残していると思われた。
調査2,外来通院10年以上を続けているうつ病,うつ状態の27名について調査した。患者は症状が安定するまでに平均6.5年(1〜15年)を要し,その後は約2/3の人が月に1〜2回外来通院し,少量の抗うつ剤,安定剤,眠剤等の投与を受けている。残遺症状は13名に見られ,それは心気症状,不眠等が主であった。
諸外国の文献における神経症性うつ病には内因性,心因性,性格的等のものが含まれ,必ずしも均一でない。しかし5〜7年の予後でみると概略20%が寛解,40〜60%が再発を繰り返しながら残遺症状をもち,20〜40%が現在も重い症状を残していると思われた。
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