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文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻3号

1986年03月発行

研究と報告

自殺企図者の臨床脳波学的検討

著者: 棚橋裕1 西村真也12 赤沢滋1 角藤比呂志34 井上令一1

所属機関: 1順天堂大学医学部精神医学教室 2西村医院 3順天堂大学医学部附属順天堂伊豆長岡病院, 4現牛臥病院

ページ範囲:P.275 - P.281

文献概要

 抄録 順天堂医院精神神経科において昭和55,56年に入院治療を行った各種精神疾患患者185名について自殺企図と脳波所見との関連につき検討した。自殺企図群には脳波異常が70.2%と非自殺企図群に比較して有意に高率に認められた。脳波異常の内訳としては基礎波の徐波化,過呼吸による異常な徐波賦活,paroxysmal dischargeの出現が,また疾患別にみると精神分裂病群で過呼吸による異常な徐波賦活,境界例群で基礎波の徐波化が自殺企図群に有意に多くみられた。これらの脳波異常として示された脳機能障害が臨床症状及び性格特微,Rorschach testから示唆される即行性(衝動性),情動不安定性,未熟性,爆発性などの傾向と何らかの関連をもち自殺における多次元的要因の中で重要な役割を演じていると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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