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研究と報告
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抄録 神経科外来に通院したてんかん患者を対象として発作の予後について二度の調査研究を行った。通院経過から受診を途中で中断した患者群(通院中断者)と継続して治療を受けている群(継続通院者)に分けて検討した。通院中断者の72%で発作が抑制されており,中断後無服薬例でも予想以上の良好な転帰を示していた。患者の自己判断で中断した者も多くは再発がみられていなかった。通院中断後の発作再発率は発作抑制期間が長い程,低率であった。継続通院者は80.5%で発作が抑制されていたが,通院期間の長短と発作抑制率に相関は認められなかった。発作予後はてんかん発作型によって差があり,全般発作は部分発作に比べて良好な予後を持っており,続発全般てんかんは予後不良であった。そのほか,脳波所見上,発作抑制例においても突発性異常が約半数にみられたことが注目された。
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