文献詳細
研究と報告
文献概要
抄録 精神不健康を呈したコンピュータ技術者の4事例を報告し,コンピュータ関連作業形態の特性から検討を加え,次のような知見を得た。1)コンピュータ関連作業形態の特性である単独作業や派遺,職場秩序の再編成に伴い,あるいは作業に過剰適応することによって,技術者は人格的接触が乏しくなった。2)単独作業は煩しい人間関係を嫌う技術者をコンピュータ関連職場へ集める傾向にあり,そのことは職場で人格的接触を乏しくする誘因ともなっていた。3)人格的接触が乏しい職場では,トラブルが生じても援助を容易には得られず,そのため精神不健康を招き易いことが示唆された。4)以上のことから,コンピュータ関連職場では適切で効果的な意思疎通を図ることによって職場ストレスを緩和する必要があることを指摘した。5)さらにコンピュータ技術者に対する精神保健対策のすすめ方についても言及した。
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