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文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻3号

1986年03月発行

短報

分娩時における播種性血管内凝固症候群(DIC)に基づく顕著な痴呆の1例

著者: 岡本重一1 山本幸良1 喜多成价13 田中孝也2

所属機関: 1関西医大精神科 2関西医大救命救急センター 3現在,喜多クリニック

ページ範囲:P.351 - P.353

文献概要

I.はじめに
 分娩時における脳の出血や血栓など血管障害に基づく精神・神経障害の存在は古くより知られている。しかし,その多くの場合,血管障害の本態ないし原疾患は判然としておらず,したがってまたその予防ないし治療の対策もない。他方,播種性血管内凝固症候群(以下,DICと略記)は近年他の身体疾患に伴うものと並んで産婦人科領域においても関心が払われているが,主として急性期症状が問題にされており,また脳症状の出現・残存はあまり知られていないようである。
 われわれは分娩時におけるDICにより重篤な脳症状を呈し,後日に顕宮な器質性精神・神経障害をのこした1例を経験したので報告し,文献的にもその可能性を考察する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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