icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻4号

1986年04月発行

研究と報告

感情障害における家族負因と幼少期の喪失体験—英国での臨床経験から

著者: 北村俊則1

所属機関: 1国立精神衛生研究所

ページ範囲:P.387 - P.393

文献概要

 抄録 英国バーミンガムの一病院において感情障害(ICD-8の躁うつ病および抑うつ神経症)を呈する入院患者39名につき,第1級親族における精神科疾患と,15歳以前の父または母からの死別もしくは12カ月以上の離別体験を調査した。死別体験は家族歴の有無と有意の関連を呈さなかったが,離別体験は家族歴の有無と有意(exact probability test,p=0.026)の関連を持ち,この傾向は離別の対象が異性の親である際に強いものであった。異性親からの離別を体験したものは家族歴を有する20名のうち7名(35%)であるのに対し,家族歴を有さない19名では皆無(0%)であった。このことから,うつ病発症に関与していると考えられている幼少期の離別体験は,一部には家族員の精神疾患から発生したものである可能性が示された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら