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研究と報告
頭部外傷後に生じたうつ状態の診断学的問題—外傷—うつ状態—自殺の経過をとった1症例の臨床病理学的検討
著者: 堀映1
所属機関: 1Abteilung Neuropathologie, Zentrum Neurologische Medizin, Universität Göttingen
ページ範囲:P.413 - P.419
文献購入ページに移動 抄録 意識障害等急性症状を伴う閉鎖性頭部外傷の後,7年を経て発症したうつ状態の経過中に自殺した1症例について剖検所見を記載した。本例には明らかな挫傷が眼窩脳にあり,受傷直後からの本態変化に加え,遅発性自律神経症状が慢性進行性に経過し,うつ病に移行した。一般に,うつ病が事故による器質性脳病変と因果関係を有するのか,外傷により誘発された内因性うつ病か,あるいは反応性のものかの確定診断は容易ではないが,その鑑別診断上の問題を多面的に検討し,本例を頭部外傷に起因するうつ病であると結論した。
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