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研究と報告
向精神薬処方のうけとり方
著者: 西浦研志12
所属機関: 1大分県立病院精神科 2現九州工業大学保健管理センター
ページ範囲:P.435 - P.442
文献購入ページに移動 抄録 著者は向精神薬処方のうけとりかたを神経症圏72症例について観察し,患者の疾病観,治療観に関心を向けながら診療した。その結果,患者が向精神薬に対して示す態度は次の6群に分けられた。要求型の13例は,症状は治りやすいが,治療中断も起こりやすかった。肯定型の13例は精神療法の適応群だった。委任型の15例は,継続治療を治療者から勧める必要があった。懐疑型の15例の治療はながびいた。不要型の15例の症状は1回の診療でおさまりやすかった。拒否型の1例は継続治療への関心も失った。これら6群のうち,要求型,懐疑型,拒否型の3群は患者が抱いている身体疾患モデルを軸にして,また,肯定型,委任型,不要型の3群は患者の精神科的治療を受ける準備性を軸にして考えると,その向精神薬のうけとりかたが理解しやすかった。服薬開始以前に患者がみせる処方のうけとりかたをみなおすことは,診断の補助手段としても,治療展開の予測にも役立つ。
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