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文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻5号

1986年05月発行

文献概要

展望

男女の性心理的発達

著者: 作田勉1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部精神神経科

ページ範囲:P.478 - P.490

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I.はじめに
 人類は,大きくは男性と女性に2分類される。男性と女性は,アダムとイブの神話以来,またイザナギの命とイザナミの命の神話以来,共に相助け合い補い合って人間社会を築いてきた。男性と女性は人類としては同じであり共通点が多い。しかし,赤血球数,心拍出量,最大換気量,筋力などの生理的差異を初めとして,心理的,認知的な各種の差異も認められている。男女差の中では,染色体に基づく性的事象にまつわる差異が基本的である。そこでこの基本を把握しておく必要があるが,それらの男女差がどのようにして生じるのかは未だ研究途上にある。更に,近年増加しつつある同性愛などの性的倒錯の問題も,関連した領域として解明されていかねばならない。ところが,これらに関連した男女の性心理的発達については各種の理論が存在し,やや混乱した状況もみられる。そこで今日までのこれらの領域についての実証的研究をまとめ,今後の展望の基盤を確認することは極めて大切なことであるといえるであろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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