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文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻5号

1986年05月発行

研究と報告

産後精神病の臨床統計的研究

著者: 岡野禎治1 野村純一1 原田雅典1 山口隆久1 西久保光弘2 鳩谷龍3

所属機関: 1三重大学医学部精神科 2山田赤十字病院 3水口病院

ページ範囲:P.505 - P.512

文献概要

 抄録 1968年から1981年までの14年間に三重大学医学部精神科を受診した産後精神病のうちで,産後3ヵ月以内に初発し,1年間以上経過を観察することができた85例を対象として臨床統計的研究を行った。総女子患者の中で,産後精神病は1.8%であった。病像としては,うつ状態が最も多く(45%),錯乱せん妄状態(20%)と神経症様状態(20%)がこれに次ぎ,幻覚妄想状態,無欲困惑状態,てんかん,Sheehan症候群もみられた。発病時期については,産後1週間前後に発病する早発群(58%)と,産後1〜2カ月に発病する遅発群(42%)とがみられ,病像にも異なった傾向がみられた。経過については,45%は再発することなしに治癒したが,39%は1回以上再発し,また16%以上は1年以上の慢性経過をとった。このような結果およびその他の点について,従来の報告と比較検討した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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