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文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻5号

1986年05月発行

研究と報告

急性腎不全を合併した悪性症候群の2臨床例

著者: 岩淵潔1 天野直二2 横井晋2

所属機関: 1神奈川県総合リハビリテーションセンター精神神経科 2横浜市立大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.525 - P.534

文献概要

 抄録 急性腎不全(ARF)を合併した悪性症候群(NMS)の2例について報告し,先行する高度な脱水とミオグロビン(Mb)がARFをひき起こす可能性を指摘し,さらにnon-rigidity型NMSの存在を明らかにした。症例1:53歳,男。初回はhaloperidolにてnon-rigidity型,1年後の再発時はchlorpromazineにてrigidity型NMSを呈し,ともに意識障害を欠いた。Mb血・尿症(血清Mb:初回510ng/ml,再発時7,800ng/ml)によるARFに至り血液透析を要した。筋生検ではNMSに特異的な所見を病期および寛解期にも認めなかった。主症状は自律神経系にあり,筋強剛の有無にかかわらず臨床検査の経過は初発,再発時とも同様であり,異なる向精神葉により発症したNMSと考えられた。症例2:36歳,女。少量のhaloperidol経口服用にてNMSを発症し,Mbによると思われるARFとなった。発症時血清Na 154mEq/mlなど高度な脱水を認めた。対症的治療により回復後,小脳失調を残遺した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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