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文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻5号

1986年05月発行

短報

バルプロ酸による急性アンモニア血症性脳症を呈した1例

著者: 笹川睦男1 金山隆夫1

所属機関: 1国立療養所寺泊病院

ページ範囲:P.579 - P.581

文献概要

I.はじめに
 バルプロ酸(VPA)は欠神発作を主体に全汎発作ならびに部分発作にも有効な広域特性を持つ抗てんかん薬として広く使用されている。副作用は軽度のものが多く,Browne1)は消化器官障害,鎮静作用,肝毒性,血液凝固障害,脱毛等について述べている。また肝毒性に関し,Gerberら5)はVPA治療に付随したライ様症候群の12歳女児例を報告し,Donatら3)は致死性肝炎の17カ月児の報告をしている。本邦でも鈴木ら7)によるライ様症候群および杉本ら6)による肝性脳症の症例報告がなされている。今回我々はVPA併用投与により急性特異反応とも思われる高アンモニア血症性意識障害を起こし,VPAのみの投与中止により短時日のうちに意識障害の改善を見た症例を経験したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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