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研究と報告
うつ病のTRHテストにおけるプロラクチン反応について—TSH反応・抗うつ剤治療との関連
著者: 松井望1 不破野誠一1 伊藤陽1
所属機関: 1新潟大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.641 - P.649
文献購入ページに移動 抄録 入院中のMajor affective disorder(MAD)28例,Dysthymic disorder(DD)12例に対して抗うつ剤投与前にTRHテストを行い,さらにMAD 20例に対して抗うつ剤投与4週間後にもTRHテストを行い,PRL反応とTSH反応との関係及び抗うつ剤治療との関連などについて検討した。
MAD群の平均Δmax PRL値は男性が女性よりも明らかに低値であったが,男女ともに健康対照者群およびDD群と差はみられず,MAD群に特有な所見はなかった。
TSH低反応群では正常反応群よりもΔmax PRL値が低い傾向がみられ,TSH反応とPRL反応との密接な関連が示唆された。
TSH反応と抗うつ剤治療との関連については,抗うつ剤投与自体の影響はみられず,ΔΔmax TSHはstate dependent markerであると言えた。一方,PRL反応については,抗うつ剤投与自体の影響を受け,うつ症状の改善を反映しないと考えられた。
MAD群の平均Δmax PRL値は男性が女性よりも明らかに低値であったが,男女ともに健康対照者群およびDD群と差はみられず,MAD群に特有な所見はなかった。
TSH低反応群では正常反応群よりもΔmax PRL値が低い傾向がみられ,TSH反応とPRL反応との密接な関連が示唆された。
TSH反応と抗うつ剤治療との関連については,抗うつ剤投与自体の影響はみられず,ΔΔmax TSHはstate dependent markerであると言えた。一方,PRL反応については,抗うつ剤投与自体の影響を受け,うつ症状の改善を反映しないと考えられた。
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