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文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻6号

1986年06月発行

文献概要

研究と報告

頭頂—後頭葉症状群とくにGerstmann症状群について

著者: 上野陽三1

所属機関: 1(前)日本大学医学部精神神経科教室

ページ範囲:P.651 - P.659

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 抄録 24歳右利男子。左頭頂より右側頭に貫通した機銃創による脳損傷を受け,9カ月後の検査で次の諸症状を認めた。即ち頭痛その他の自覚症状にGerstmann症状群として手指失認,左右障害,失書,失算があり,それに構成失行,失読,方向及び地誌的失見当,時計失認,軽度色彩失認,左同側性半盲症と後に左上下肢知覚障害も認められた。読字,書字障害は純粋失読の特徴を示した。PEG,EEG,CTの検査で,両側で右を主とする頭頂,後頭葉の損傷を示す所見が認められた。これら諸症状の37年9カ月にわたる経過を観察した。また参考例11例を参照し頭頂,後頭葉の損傷によって種々の症状組合せを呈し得ること,その中の一つとしてG症状群のあることを認めた。
 文献を参照しG症状群の基本症状として,手指失認の重要性を考察した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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