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文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻6号

1986年06月発行

研究と報告

精神症状を示した全身性エリテマトーデス—自験82例についての考察

著者: 赤沢滋1

所属機関: 1順天堂大学精神医学教室

ページ範囲:P.661 - P.670

文献概要

 抄録 精神症状を示した82例のSLEについて臨床的検討を行い以下の結果を得た。1)精神症状はSLE確定診断後1年以内に出現する例が39%と最も多かった。2)臨床病型として器質性脳症候群46例,精神病群23例,神経症群13例であった。3)器質性脳症候群では他の病型に比べ,脳波異常及び頭部CT異常の頻度が高く,神経学的症状を合併する例が多かった。4)器質性脳症候群ではステロイド剤の増量が精神症状に対し約半数で有効であったが,精神病群ではむしろ向精神薬が有効であった。5)SLEに伴う精神障害は症状が多彩で,経過,予後,ステロイド剤に対する反応性が異なるため,病型に対応した治療が必要と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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