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文献詳細

雑誌文献

精神医学28巻6号

1986年06月発行

文献概要

研究と報告

電気入眠器(‘Sleepy’)による入眠促進効果—昼間睡眠を指標として

著者: 遠藤四郎1 末永和栄2 大熊輝雄34 佐藤謙助5

所属機関: 1(財)東京都精神医学総合研究所精神生理研究室 2医療法人青木病院検査科 3東北大学医学部精神医学教室 4現:国立武蔵療養所 5(財)交通医学研究財団

ページ範囲:P.695 - P.704

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 抄録 健常男子大学生30名を対象として,電気入眠器(‘Sleepy’)が昼間睡眠の入眠を促進する効果を有するか否かを,実通電器と偽通電器を使用するsingle blind cross-over design法で検討した。
 各被験者の実験回数は4回で,連続した2日間の午前と午後に各1回実験を行った。被験者を15名ずつの2群に分け,1群では1日目の午前に通電,午後に偽通電を行い,2日目は1日目と逆の順序で実験を行った。一方II群はI群と逆の順序で実験を行った。約3分20秒の通電,又は偽通電後60秒間ポリグラフ記録を行い,これを7回繰り返し,入眠した時点で実験を中止した。入眠潜時はS1とS2の出現にSOREMを考慮し4種類で判定した。
 第1日目午前の実験で実通電時に入眠促進効果が認められた。この時間帯の偽通電時の入眠潜時は他の時間帯における偽通電時の潜時のうち最も長かったので,不慣れな条件下の第1夜効果類似の精神生理学的反応としての入眠潜時の延長が電気入眠器による通電によって改善されたものと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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