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短報
リチウム至適投与量の予測
著者: 長沼英俊1 藤井薫1
所属機関: 1大分医科大学精神神経医学教室
ページ範囲:P.705 - P.707
文献購入ページに移動I.はじめに
リチウムはCadeが精神病治療に用いて以来,躁うつ病を中心とする精神疾患の治療薬として,重要性を増してきている。しかしその向精神薬としての有用性と同時に,同一投与量でも血漿濃度の個体差が著しいことやtherapeutic indexの低さから,慎重な投与と頻回の血漿濃度の測定が必要とされている。
Chang6)はリチウム至適投与量を予測した群と従来の予測しない群とを比較した。そして予測しない群がリチウム治療開始2週間後の血漿濃度をみるとばらつきが大きく,しかも中毒域になる危険性のあることを報告している。
リチウム至適投与量を予測する試みが今日まで幾つかなされている。性,年齢,身長,体重,血清クレアチニンを用いるDugas5),Zetin12),年齢,体重によるSampath11),リチウム600mg経口1回検査投与24時間後の血清濃度によるCooperら3,4)の報告がある(表1)。
今回我々は 1)リチウムのpharmacokineticな特性を基礎にしており,2)Cooper自身2年間で100例以上に及ぶfollow up data3,4)があり,3)Gengo7),Palladino10),Naiman9),がCooperの追試をしており,4)他の予測法と比べてリチウムの血清濃度が0.6〜1.2mEq/lと治療濃度と一致するなどを考慮し,Cooperの報告した方法が,臨床的に有用かどうかを検討した。
リチウムはCadeが精神病治療に用いて以来,躁うつ病を中心とする精神疾患の治療薬として,重要性を増してきている。しかしその向精神薬としての有用性と同時に,同一投与量でも血漿濃度の個体差が著しいことやtherapeutic indexの低さから,慎重な投与と頻回の血漿濃度の測定が必要とされている。
Chang6)はリチウム至適投与量を予測した群と従来の予測しない群とを比較した。そして予測しない群がリチウム治療開始2週間後の血漿濃度をみるとばらつきが大きく,しかも中毒域になる危険性のあることを報告している。
リチウム至適投与量を予測する試みが今日まで幾つかなされている。性,年齢,身長,体重,血清クレアチニンを用いるDugas5),Zetin12),年齢,体重によるSampath11),リチウム600mg経口1回検査投与24時間後の血清濃度によるCooperら3,4)の報告がある(表1)。
今回我々は 1)リチウムのpharmacokineticな特性を基礎にしており,2)Cooper自身2年間で100例以上に及ぶfollow up data3,4)があり,3)Gengo7),Palladino10),Naiman9),がCooperの追試をしており,4)他の予測法と比べてリチウムの血清濃度が0.6〜1.2mEq/lと治療濃度と一致するなどを考慮し,Cooperの報告した方法が,臨床的に有用かどうかを検討した。
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